血液検査科
◇資格取得状況
・二級臨床検査士 5名
・認定血液検査技師 3名
・骨髄検査技師 1名
TOPICS(学会発表実績 過去5年間)
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検査の内容、日常業務
血液検査科では、貧血や炎症など知るための血球数算定、血液の止血能を知るための凝固線溶能、血小板の働きを調べる血小板凝集能、不応性貧血や白血病などが疑われたときに重要な骨髄像検査を行っています。血液内科や脳神経血管治療科では所見レポートの迅速化や検査薬の調整により治療選択に関わる臨床のニーズにも対応しております。
移転を機にXR-9000(シスメックス製)を導入しました。これまで繰り返される煩雑な業務の自動化を実現し、結果報告時間(TAT)の短縮および効率性の向上を図っています。検査担当者は専門的な業務へ集中できる環境下で血液疾患の拾い上げに努め診療支援に貢献しています。
血球計数検査
多項目自動血球装置XR-9000を用いて各種貧血や多血症、白血病などの血液疾患をはじめ、感染症を含む診断の補助や、病気の治癒状態を調べるための最も基本となる検査です。装置の保守など徹底した品質管理の下、正確・迅速な検査データを臨床に提供しています。
形態学的検査
末梢血液・骨髄液中の細胞を普通染色、特殊染色を用いて顕微鏡下で個々の血球形態を観察することによって、造血器および生体内から種々の情報を得ることができます。血液疾患などの診断や予後の判定に結びつく重要な手がかりを早期に発見することができます。
血液凝固・線溶検査
全自動血液凝固分析装置CS5100を用いて凝固系項目(PT、APTT、Fib、ATⅢ)と線溶系項目(FDP、Dダイマー、PLG)を測定しています。血液凝固・線溶検査は出血・血栓傾向があるかどうか調べる検査です。手術前の検査や心筋梗塞・脳梗塞などの診断にも役立てています。
血小板凝集能検査
血小板凝集能測定装置IMIPRP313Mを用いて血小板どうしが凝集する過程を評価しています。以前は血小板機能異常症の診断に使われていましたが、現在では脳梗塞や心筋梗塞などの発症後に再発防止のため血小板療法(抗血小板薬投与)の適応、治療効果を評価する場合にも役立てています。
グリコヘモグロビン検査(HbAIc)
全自動グリコヘモグロビン測定装置ADAMS A1C HA8190Vを用いて測定しています。
HbAIc値は、採血時から1~2ヶ月前の血糖の平均を反映することが知られています。したがって採血時にたまたま血糖値が低く、見逃してしまいがちな初期の糖尿病も発見しやすくなります。
業務の魅力
「血液疾患は血液検査室で発見したい!」私たちは常にこの言葉を念頭に日常業務を行っています。昨今、血液診療医が形態診断などに時間が割けなくなっているなか、血液疾患の診療において血液検査技師の果たす役割は益々高くなってきています。このことは私たちにとっては最大のチャンスであり責任も重大と言えます。しかしその分、やりがいやモチベーションも高く現在、骨髄検査技師・認定血液検査技師を含むスタッフは埼玉県技師会および日本検査血液学会、日本血栓止血学会の参加、学会発表などの活動の幅を広げ、若さと意欲でスキルアップを図っています。